不動産売却に関わる告知義務について考えよう    ~桜森企画より~

query_builder 2021/05/28
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今回から不動産の売却における売主さんの告示義務について一つの事例を取り上げて考えて行きましょう。


ある本よりわかりやすく解説されておりますので見ていきます。


所有者が建物内において心筋梗塞で死亡した中古住宅を取得しましたが、転売にあたり告知義務はありますか。なお、事件性はなく、病死であることは確認済みです。


宅建業法47条1号二は、「・・・宅地建物取引業者の相手方(買主)等の判断に重要な影響を及ぼすこととなるものは」については、宅建業者に告知義務を負わせています。要するに、そのような事件があることを買主が聞いたとすれば「買わない」、「代金を下げてくれ」などと問題にすると考えられる重要な事項については告知する必要があるということになります。


一般の感覚としては、従前の所有者が建物内で病死したということだけでは、重要事項になりません。たとえば、家族に看取られ、その部屋で病死し、葬儀がその部屋で行われた場合でも告知の義務はありません。


もっとも死亡の状況によっては、心理的な兼悪感を購入希望者に抱かせることもあります。自然死ではあったが孤独死で、2ヶ月間死亡の発見が遅れた場合は、誰もが兼悪感を抱きますから、告知すべきです。


これに対し、トイレで朝死亡し、夕方に発見されたような場合には、仮に裁判になった場合、告知する義務は通常ないといわれるかもしれません。しかし、死亡して三日目に発見された場合には、買主の中には問題にする人も多いと思われます。


このような場合に、どこまで告知すべきか、裁判で争ってから決めるわけにはいかないので、業務上は、トラブルを避けるためには、「仲介の担当者が迷ったら告知する」という基準で処理することが望ましい対応です。


今回、見ていただいたように迷ったら、伝えることが今後のトラブルを避ける意味でも大切であることがお分かりいただけたかと思います。売主さんとしては後ろめたい事項にはなるかもわかりませんが、大切な資産の売却になりますので、覚えておきましょう。


桜森企画では、大和市を中心に海老名市、座間市、綾瀬市などのお客様への有益な情報も随時提供しておりますので、お気軽にご相談ください。「相談事例集(発行)公益社団法人 神奈川県宅地建物取引業協会 相談調停委員会 執筆 神奈川県宅建協会顧問弁護士 立川正雄 平成29年3月初版第1刷発行 令和2年3月第2版(電子ブックのみ対応) 令和3年3月第3版第1刷発行」

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